住宅設備機器卸 / サービス業
導入製品 |
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資本金 |
1億円 |
従業員数 |
262名 (2021年2月現在) |
対象業務 |
販売管理、購買管理、個別原価管理、会計連携 |
導入期間 |
約2年 |
ヤマネホールディングス株式会社(以下、ヤマネ様)は、山根才吉氏が1920(明治43年)に当時の広島県坂村(現坂町)で創業された山根木材店を起源とし、現在は広島県を中心に住宅事業展開している老舗企業です。
今回はInfiniOne Project導入の経緯、効果、今後の展望などをうかがいました。
山根様:今年で創業111年目ですが、元々は広島県の坂村(現坂町)で創業し、当時は日本国だった朝鮮に渡ったのち、戦後に引き上げた後広島で事業を興したのが75年前でした。住宅事業は今から約50年前から行っており、現在までにリフォームや新築などの事業を担う会社を立ち上げてきました。
FutureOne(以下、F1):山根社長が就任されてから約10年ですが、どのような点を意識されてきたのでしょうか。
山根様:2000年頃に入社し、当時からERPおよび原価計算システムの導入プロジェクトに携わっていました。当社においては、そこから今の言葉でいう「DX」は始まっていました。目的は、経営数字、経営状態を紙ベースではなくてデータベース管理してデジタル化を進めることでした。数値データに基づいた意思決定がマネージメントには大切であると意識してきました。
F1:現在もまだ多くの企業がIT化に消極的な現状ではありますが、当初からIT活用の重要性を認識されていたのはどのようなきっかけがあったのでしょうか。
山根様:私も岡田(専務)も大学のゼミナールで「経営情報システム」を研究していました。いつの時代も経営にとって情報は重要な要素でしたが、パソコンやインターネットが普及した学生時代にゼミナールを通してこれからの経営や事業戦略の成功において情報(データ)の収集と活用の重要性に関する理解を深めたといえると思います。
また、元々ヤマネには必要な新しい技術は常に率先して取り入れる土壌があり進化してきました。例えば、プレカット機導入による木材加工の機械化、住宅設計のCADなどはいち早く導入しており、必然的な流れとして経営の情報化を進めてきました。脈々と引き継がれてきた会社の流れもあったのではないかと思います。
F1:システム入替に至った経緯、課題、想いなどをお聞かせください。
岡田様:最初のきっかけは以前利用していた財務システムの更新のタイミングでした。
システム刷新は大きな投資となるため、システムとしても会社としてもステップアップを模索するなかで念願のERP導入の検討に入りました。
山根様:以前のシステムのバージョンアップだけでも結構な投資額となりましたし、やりたいこと・やるべきことに投資すべきと判断しました。グループとして見ると各社バラバラの業務が常態化していましたが、それはそれで業務が回っていました。それでも十分とも言えるかも知れませんが、会社として次世代への投資との想いもあって判断でした。
F1:システム導入の具体的な目的をお聞かせください。
山根様:元々ヤマネホールディングスという名のもとに事業会社を抱える目的の一つとして、各事業会社の経営者の育成があります。各事業の成長のためにはそれぞれの専門分野においてのマネージャーの早期育成を非常に重要視しており、各事業会社においての内部育成の効率化を図っています。
マネージメント層の育成と経営のシステム化は表裏一体の必要要素になってきます。マネージャー育成をして正しい報告を上げもらい、正しい経営情報で意思決定する状況にしたかったのです。
F1:現行システムを導入する際にご苦労された点をお聞かせください。
山根様:プロジェクト開始当初はグループ各社がそれぞれのシステムを利用していたため、バラバラのシステムを統一することが最も重要なポイントでした。背景として各社業態やお客様層が異なるというのはありますが、当初は各グループ会社の中で部署ごと、ひいては個人ごとに業務が束ねられている状態だったといえます。
大林様:当初の基本方針は、ノンカスタマイズでパッケージを標準導入し、標準的な手順を各社共通で行うことでグループ全体の数字を管理するシステムにすることでした。そのためのポイントとして、一つはシステム側の機能面は充足していてノンカスタマイズで使えるのか、もう一つはシステム導入するにあたって、システム会社として使い方を含めてきちんと導き、寄り添い、安心して導入を進めることができるのかを挙げていました。
製品面に関しては、ノンカスタマイズを前提としていましたが、グループ各社でバラバラだった業務のすべてをシステム更新と同時に標準機能に合わせることは難しく、標準化を進めながら融通を利かせる形をとりました。そのため、新築、リフォーム、メンテナンス、木材などの各事業の業務をある程度のカスタマイズで全部飲み込めるシステムにする必要があり、FutureOneが対応できたのが採用のポイントです。
F1:要件定義で苦労された点をお聞かせください。
大林様:グループ各社、各担当それぞれにあったやり方を同じ土俵に乗せるのには苦労しました。
当初、システムに業務を合わせることに賛否もあり、今も100点ではないが、当時の苦労がなければ各社を同じ仕組み上で同じ手順で業務を行う目標は達成できなかったと思います。
F1:要件定義で良かった点、特徴をお聞かせください。
大林様:私自身元々ベンダーSEとしてシステムを導入する側の立場でしたのでFutureOneがどのように進めるのかを興味をもって見ていていましたが、非常に丁寧だという印象です。各社からの様々な要求に対して、ベンダーの都合で抑え込むことなく、しっかりとヒアリングを行った上で、適切な提案をしてもらいました。現場が「要望を聞いてもらえなかった」とならなかったのは、一社一社丁寧に話を聞いていただいてまとめてもらったからだと思います。
F1:開発以降の導入~移行に関するご苦労されて点をお聞かせください。
大林様:導入側にとっては毎プロジェクト行う作業でも、ユーザー側にとってシステム導入は10年に一度の作業のためはじめての作業も多く、特に並行稼働は難易度が高かったです。現行システムと同じ手順で業務をして数値が合っているのかを確認するため、現場の負荷を考慮しつつプロジェクトチームでも作業を分担しながら進めていきました。
実際にシステムを操作する現場の担当者、例えば現場監督の一人ひとりに検証してもらう必要があります。実業務と並行しての作業であるため一時的に負荷が上がりますが、このタイミングでの検証がシステム導入に必要不可欠であるため、FutureOneにサポートしてもらいながらなんとか並行稼働を乗り切ることができました。
F1:導入後の具体的な効果をお聞かせください。
大林様:数値化している効果としては、月次の締業務に関して以前は11~12営業日必要でしたが、7営業日に短縮し、散在するExcelを集計して2~3日掛けていた経営資料の作成作業は無くすことができました。
効果は削減できた工数や作成した資料だけではなく、数値化する意味や意識をマネージメント層だけでなく現場が持つようになったことにも表れています。本来は非常に長い時間が掛かる意識の変革がシステム導入によって進んだことが一番大きい効果だったのではないかと考えています。
個々のExcelや部門毎の独自集計ではなく、全社で決まったルールに基づいて入力したデータを根拠にした数値が社内で流通するようになり、データを活用したいわゆる「DX」の第一歩になったのではないかと思います。
F1:導入後についてお聞かせください。
丸山様:システム導入が完了すると、担当者が変わり運用に関わるサポートが手薄になるシステム会社が多い印象ですが、FutureOneは導入フェーズから運用フェーズに入っても営業、SEが関わっている点で面白い会社だと思いました。追加要件や不具合が発生した場合でも、一貫して背景・経緯を把握してくれているのはユーザーにとってはありがたいですし、特徴的だと思います。
FutureOneヘルプデスクシステムも非常に良い仕組みですね。
システム上ですべてのやり取りをドキュメントとして確認できるため、例え担当者が変わったとしても状況把握が容易なのはメールでのやり取りよりも優れていると思います。
問い合わせや不具合対応などがチケットで管理されているため、個別の進捗や過去の履歴が確認しやすいと思います。緊急性がある場合は電話やメールで問い合わることもありますが、その場合もヘルプデスクシステムに履歴を記録してもらっているのでありがたいです。
岡田様:ERPは導入しましたが、経営数字を取るプロセスの最適化は道半ばですし、Excel管理が残っている現状があります。導入当初の目標とし掲げていることに、現在の活用範囲、例えば財務や受発注の数字に限らず、営業や人事関連の数字もそれぞれのシステムと連携があります。今後は経営数字を網羅したシステムの構築に取り組んでいきたいと考えています。
山根様:システムをまだ使いこなせていないと考えています。意思決定や経営の効率化に繋げていくためには、グループ社員全員がデータを使いこなせるようになるのが課題です。InfiniOneと連携するシステムは多岐にわたるため、どのように改善していくのかを見極めていくことが今後の開発テーマの一つですね。また、業務の標準化を進めていくためにはRPAも導入してさらに業務の標準化を進めていきたいと考えています。
岡田様:「よくしゃべる会社」です(笑)。
山根様:「よくコミュニケーションを取ってくれる会社」ということですね。「よくしゃべり」「よく付き合ってくれる」「よく話を聞いてくれる」。
地方の中小企業は、ことシステム開発になると地元にはシステムベンダーは少なく、東京や大阪の企業を相手する場合は少なからず不安を抱えていることが多いと思います。無理な要求をされるのではないか?プロジェクトについていけるのか?などがその例です。そのような状況でFutureOneは良いチームビルディングをしてくれました。
結局、システム開発は「人」だと思います。「人」を大事にしてくれるシステムベンダーはユニークな存在です。コンサルティング力をアピールするよりも、「人」「カスタマー」を大事にしてくれる会社です。
大林様:丁寧な会社だと思います。
丸山様:身内のような会社だと思います。
複数の事業会社の「業務とシステムを統合する」という目的を、プロジェクト参画メンバーが共有し実行した事がプロジェクト成功に導けた大きな要因だったと感じております。我々もその想いに負けないよう、微力ながらサポートすることができました。
引き続きヤマネ様の情報活用や業務改革をサポートしていく存在として尽力して参ります。
企業名 |
ヤマネホールディングス株式会社 |
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所在地 |
〒734-8570 広島市南区出島1-21-15 |
業務内容 |
注文・分譲住宅事業 住宅リフォーム事業 住宅維持管理事業 木材加工事業 中古住宅買取再販事業 家具インテリア販売事業 デイサービス事業 |
代表者 |
山根 誠一郎 |
創業 |
1920年4月 (明治43) |
URL |
https://www.yamane-m.co.jp/ |
※記載されているお客様情報については、2021年10月時の情報です。