【工作機械 専門商社】
導入製品 |
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資本金 |
9,800万円 |
従業員数 |
98名 (2024年5月現在) |
対象業務 |
販売管理 |
株式会社不二様は、お客様のニーズに寄り添い、最新技術を提案するかたちでお応えする工作機械・切削工具・測定機器の専門商社です。3D CAD/CAMを始めとしたシステム関連製品の販売も手掛けています。
今回は、執行役員 システム統括 営業部長の藤沢 一暢様をはじめ、InfiniOne ERP導入プロジェクトメンバーの皆さまにシステム導入の背景や効果についてお話を伺いました。
当社では、これまでセキュリティを重視してオフコンを採用してきました。工具の物販/設備の一式販売/システム導入に伴う役務といった、多岐にわたる取引形態に対応した見積書を作成しなければならないのですが、オフコンだけでは複雑な見積書表記に対応できないため見積専用システムも別途導入し、併用していました。
しかし、2つのシステムを使うことで、マスタの二重登録や定期的な登録情報の突合確認が必要となり、業務は非効率となりました。他にも、担当者が新しくなった際の引継ぎも困難となり、業務の属人化が起こりやすくなっていました。2つのシステム間のデータ連携においても、タイムラグやエラー処置など対応に追われ、過度な時間と手間を要していました。
加えて、データ分析の自由度も低く、データ抽出期間や切り口を変えた分析をするにはExcelでの手集計が不可欠でした。過去データを参照したい際、時には倉庫に保管された帳票を探さなければいけないこともあるなど、現場負荷を高める要因となっていました。
このような状況を改善し、現場の作業効率向上とデータ分析の利便性を上げるため、見積管理と販売管理をワンシステム・ワンデータベースに統合すべくシステムを刷新しようと決断に至ったのです。
システム刷新の検討を開始した際、次期システムの大方針として、パッケージ機能にカスタマイズを加えて当社独自の運用や仕様を極力減らし、時代の変化に柔軟な対応ができる基盤を作ることを掲げました。選定プロセスでは、旧システムのベンダーを含む数社のパッケージを検討しましたが、カスタマイズが不可能だったり、数年ごとにシステムを買い直す必要があったりと、当社の要件に合うものはなかなか見つかりませんでした。膨大な検討期間と労力を費やしたにもかかわらず、当社のニーズに合致するシステムが見つからず、一時はどうなることかと思いました。
そんな中、ふとネット検索をしていたところに見つけたのが、FutureOneのホームページに掲載された同業社への導入事例です。InfiniOne ERPなら当社の要件を満たせるかもしれないという直感と期待を抱き、すぐに問い合わせをして提案を依頼しました。当時、FutureOneは検討対象ベンダーの中では後発でしたが、質問に対する迅速かつ正確な回答や、豊富な業界知識を生かした提案力で他社ベンダーを圧倒していました。来訪のたびに、FutureOneへの信頼度がどんどん高まっていったのを覚えています。
FutureOneは、当社のビジネスにおける重要なポイントを理解し配慮しながら、要件を100%満たせない場合でも代替案を提示してくれました。また、当社の各取引パターンをInfiniOne ERPで対応する場合のシステムデモも行い、導入後のビジョンを明確に描けるようサポートしてくれました。その結果、プロジェクトメンバーによるベンダー選定投票ではFutureOneが圧倒的多数の票を獲得し、InfiniOne ERPの導入が決定しました。
当社の独自仕様を減らしてInfiniOne ERPに移行する方針を掲げていたものの、現行業務や業務規約などの既存の考え方を変えるのは容易ではありません。そこで、システム要件を検討するフェーズでは、まずInfiniOne ERPの標準機能を当社の取引パターンごとに1つ1つ確認し、標準機能で対応・網羅できることを確認しながら進めました。この方法は確実性があり、非常に有効でした。ただし、カスタマイズ部分については構築前の段階でシステムの挙動を確認できないため、イメージを膨らませながら想像で要件を決めていくほかなく、大変苦労しました。工具の物販/設備の一式販売/システム導入に伴う役務提供など、異なる取引パターンを1つの運用に統合するのにも多くの苦労がありました。
通常業務と並行してプロジェクトを進めるのは大変でしたが、「絶対に社員が刷新して良かったと思うようなシステムを導入する!」という強い意志を持って取り組みました。FutureOneも、検討が必要な事項が発生した際には迅速に対応し、両社で協力しながら懸念点の解消策を検討できるようにサポートしてくれました。特に、重要な要件確認の抜け漏れがないように適切なフォローをしてくれたことは大変助かりました。
一方、システム導入時の現場教育については反省点があります。営業部ごとに個別教育を行い、その後は現場に任せる形式をとりましたが、その結果、部署ごとにInfiniOne ERPに対する理解度に差が生じてしまいました。後からフォローアップが必要となってしまったため、今後の改善点として認識しています。
このように、システム構築中は数多くの課題に直面しましたが、FutureOneの多大な協力のおかげで1つ1つの問題をクリアし、取引先に迷惑をかけることなく無事にシステムを導入することができたことは奇跡だと思っています。FutureOneの確かなサポートに感謝しています。
InfiniOne ERP導入によって、数多くの効果がでました。
まず、見積管理と販売管理の統合が顧客満足度の向上に大きく貢献しました。見積書にて、工具の物販/設備の一式販売/システム導入に伴う役務といった取引パターンに対応した多様なレイアウトや表現ができるようになり、お客様からは「とても見やすい見積書になった」と評価をいただいています。また、営業側でも電子印を活用することによりお客様への見積提示が早くなったことも大きな利点となりました。
さらに、日々の業績動向を把握するための「売上日計表」でも大きな改善がありました。InfiniOne ERP導入前は、営業グループごとに異なるレイアウトの手書き売上日計表が管理部門に届き、それを集計し、ファイルに綴じ込むという作業を行っていました。全14営業グループの集計処理を毎日行うのは非常に大変で、売上情報の即時確認も困難でした。しかし、InfiniOne ERP導入後はシステム内で売上日計表が自動集計されるようになり、月次締めを待たずいつでも・誰でも発行できるようになりました。その結果、作業時間は以前の半分に短縮され、生産性が大幅に向上しました。
この変化により、副次効果として社員の意識改革も各所で見受けられるようになりました。
たとえば、営業や営業事務だけでなく、経営層自身も集計リストをリアルタイムで確認し、朝礼時に最新の業績動向を踏まえた社員への呼びかけを行うようになりました。以前は旧システムに接続できるPC端末や作業できる社員が限られていたため、これはInfiniOne ERPをクラウド導入したことによる効果とも言えます。
導入から約1年が経過した今、現時点での導入効果として、当社全体でひと月あたり200時間の業務が削減され、生産性が向上しました。さらに、データ分析の強化や社員の意識改革など、多くの副次的な効果も顕著に現れています。今後もデータの蓄積に伴い、更なる導入効果の発揮を期待しています。
昭和21年に不二商会を創業して以来、約80年近くにわたる長年の業績と実績を有する工作機械、切削工具、測定機器の専門商社です。各種メーカーを得意先に自動車、オートバイ関連向けを主体としたNC旋盤、マシニングセンタなどの各種工作機械、切削工具、測定機器、自動化、省力化装置、その他一般機械工具の販売、および3D CAD/CAMおよびシステム関連製品の販売を手掛けています。
企業名 |
株式会社不二 |
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所在地 |
〒432-8539 静岡県浜松市中央区神田町1179番地 |
業務内容 |
工作機械・切削工具・測定機器、その他一般機械工具の販売、3D CAD/CAMおよびシステム関連製品の販売業 |
代表者 |
池浦 慎一郎 |
創業 |
1946年 (昭和21年) |
URL |
https://www.fuji-sys.com/ |
※記載されているお客様情報については、2024年5月時の情報です。