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業務特性にフィットした最適カスタマイズによって標準化を実現し、さらに発展的なシステム活用の意識が浸透

FutureOneメディア

工業用部品製造/企画販売業

ホーザン株式会社 様

導入製品

InfiniOne Sales

資本金

5,000万円

従業員数

67名 (2022年4月現在)

対象業務

販売管理

今回は大阪府大阪市に本社をおく総合工具メーカーであるホーザン株式会社を訪問し、マーケティンググループの中川様と小西様にInfiniOne導入の背景や効果についてお話をうかがいました。

課題・提案・効果

課題
  • ■ システム拡張を繰り返した結果の安定性・拡張性・継続性の不安
  • ■ 属人的な体制によって潜在的に進行していたシステム運用の非効率
  • ■ 業務の非効率を生む「社内の常識」の撤廃と効率化を司るシステム導入の両立
提案
  • ■ 業務整理をし課題を可視化。業務を「社内の常識」から「あるべき姿」へ修正
  • ■ 業務の平準化・ルール化を定着し、ヒューマンエラーの削減を実現する
  • ■ 過不足のないカスタマイズと周辺ソリューションを組み合わせたシステム効率の最適化
効果
  • ■ 意思決定スピードの向上に貢献したECサイトを含めた横断的な実績データの可視化
  • ■ 業務量を70%に圧縮、さらにシステムの活用度を上げる姿勢の芽生え
  • ■ クラウド化による安全・安定稼働、業務整理による属人的運用の解消

導入前の課題

ご担当者画像

はじめに、貴社の紹介をお願いいたします。


当社は自転車整備用工具から始まり、現在は電子機器製造用の工具・機器を中心に販売するメーカーです。創業75年を超える歴史を継承しつつ新しい分野にもチャレンジし続けています。

 

旧システムの課題、新システムへの要望など、システム導入の背景についてお聞かせください。

旧システムは導入から15年が経過したオンプレミスのフルスクラッチシステムでした。課題としては、拡張を繰り返す中で部分的な効率化・省力化は実現されていたが、次第に運用面での歪みによって安定性、拡張性、継続性に対する不安が現れたことが挙げられます。

当時の運用は実質二名(SEと担当者)の属人的な体制に依存しており、場当たり的な対応となっており、新規カスタマイズや不具合対応に関するプログラム開発といった日常的な改修もまともにできないなど、のちに体制が変わって顕在化するまで多くの問題が潜在的に進行していました。

この他、多い時には1カ月に2回ほどのシステム停止があり、その際のサポート対応の問題、現状のビジネスとミスマッチになっていた仕様、社内サーバー設置のリスクと管理負担など、問題は山積しており、Windows Serverのバージョンアップ対応のタイミングでこれらの課題を一掃するためにシステムのリプレイスを判断しました。 

要望としては、1)自社の強みを認識し、より強化するためにシステムとして残す部分と、2)知らず知らずのうちに非効率を生んでいる「社内の常識」を撤廃し、確立された「世間の常識」であるプロセスや周辺ソリューションを取り入れて業務の効率化を図る、と相反する特性が共存したシステムにしたいと考えていました。

システム選定のポイント

システム選定のポイントと、ベンダー選定の条件をお聞かせください。

課題解消のため、カスタマイズ可能なパッケージシステムであること、サポート体制が安定しており、ブラックボックス化しないこと、クラウド化できること、「社内の常識」からの脱却の実現をサポートしてくれるベンダーである点、などを条件としていました。

当初は何が正しいのかという物差しを持っておらず、「世間の常識」を知るためにパッケージシステムからスタートし、検討を進める中で当社のニーズをしっかり満たすためにカスタマイズ可能なパッケージに落ち着いた経緯があります。

選定の決め手

決め手はニーズをしっかりと分かってくれる営業力

InfiniOneを採用していただいた決定的なポイントをお聞かせください。

元々FutureOne を 当社ECサイトの外注ベンダーとして認識しており、業務品質の高さに関心を持っていたために候補に挙がりました。加えて、ベンダー選定は最初から営業の質をポイントとした判断基準を持っていました。

 

例えて言うならば、カタログ制作をする際に印刷会社を選定するとします。印刷会社によって大きくアウトプットが変わることはなく、最後に何が決め手になるかというと、印刷会社の設備や職人の質ではなく、営業担当がこちらの意図を正確に吸い上げてくれるかどうか、と考えていました。FutureOneは比較検討したベンダーの中で営業担当の質が際立っており、こちらの意図だけではなく、背景までしっかりと理解してもらえている手ごたえを感じていました。

システム構築中

効果的だった業務とマスターの整理。難しかったECサイトとの同時システム刷新

ご担当者画像

要件定義中のご苦労や良かったことについてお聞かせください。

要件定義フェーズの前段階に業務整理フェーズを設けたことによって、当社の常識・日常と世間のギャップを知ることができ、非常に有意義なプロセスでした。システム担当部門としても現場の当たり前を改めて認識できて勉強になりました。

苦労した点は、旧システムでもある程度以上に高いレベルで業務を回せていたため、変化を受け入れてもらえるように気を配った点ですね。

 

また、独自の購買管理・生産管理・製品構成はカスタマイズすることが確定していたが、既存の各画面をどのタイミングで何のために確認し、決定に至っているかを完全に言語化出来ていませんでした。それまでは問題点を何年もかけて一つずつクリアしながら作り上げていたため、一度に全体像を体系立てて説明することは難しく、苦労しました。逆にパッケージに合わせる予定だった経理と受注~出荷については要件定義しながら業務フローの変更点までイメージして話を進められたのは良かったと思います。

 

しっかりとしたフレームワークをご提示してもらったことも、効率的な業務整理につながって大変助かりました。

 

続いて、システム構築中のご苦労や良かったことについてお聞かせください。


良かったのはマスター移行ですね。複雑化した旧システムのマスター構成と15年ぶりに向かい合って「あるべき姿」に正せたのは価値のある時間でした。

 

苦労した点としては、ECサイトのシステム刷新を並行しており、個別には問題なくても、二つのプロジェクトを組み合わせた際に果たしてどうなるのだろうか?とソワソワしながら進んでいたことですね。

 

導入してから本稼働までのご苦労や良かったことについてお聞かせください。

現場の責任者と合意形成できていたが、現場担当者までケアが十分に行き届いていたとはいえず、振り返ると未然に防げた課題もあったのではないかと感じています。

 

責任者レベルだけではなく日常的にシステムを活用する現場担当者の業務まで踏み込むことができていたら稼働時の完成度はもっと高くなっていたのではないかと思いますね。

しかし、現在は日々業務は改善されており、活用度も上がっています。

導入効果

システム刷新を機会に大幅に前進した業務の効率化とデータ活用

ご担当者画像

システム導入後の効果について、「経営」「現場」「システム管理者」それぞれのお立場からお聞かせください。

【経営的視点】新旧システムのデータ分析を一気通貫できるのか心配であったが、結果的に現在はBIツール上で可視化することができ、翌日には詳細に確認できるようになりました。本社以外からでも確認できるため、意思決定のスピードに繋がっています。社内でデータの見せ方の加工も容易となり、精度も上がっています。

 

【現場視点】(受注~出荷)翌日以降の売上処理が可能となったことで、本日分の売上処理完了後に翌日分の受注~売上処理が可能となるなど、業務量を70%まで圧縮できて大幅な効率化を実現しました。また、さらにシステムの活用度を上げようとする姿勢が芽生えてきたという間接的な効果も実感しています。品切れを発生させないことで効率が最大化するコンセプトでしたが、一部の商品に慢性的な品切れがあり、まだ真価が発揮された状態とはいえず、この先まだ改善できる楽しみがあります。EDI連携の新規案件も社内だけで完結できるプロセスが完成し、今後増えるであろうEDI連携の効率化に長期的な効果を期待しています。

 

導入の過程では様々な場面で従来の業務からの変更をご判断されていましたね。

物流会社の一本化が良い例ですね。良い意味で従来の業務やプロセスを見直して場合によっては「捨てる」ことで、派生的に関連する業務の効率化に繋がりました。

 

(発注・生産管理)売上データをエクセルに流し込み、複雑な需要予測を立てていた部分を発注点方式に変更することでシンプルになりました。発注点のメンテナンスは日々発生しますが、属人的な運用は解消されています。業務効率はまだまだ改善の余地があると考えており、次の改修プランも目下立案中という状況です。

初回の要件定義時から一度にすべての課題を解消するのは難しいと考えており、想定通りともいえます。

 

(経理)消費税の計算方法・表示方法については当社独自のやり方を適用してもらったが、それ以外はパッケージの部分を最大限活かすこととし、大きなトラブルなく移行できました。電子請求書発行システムの導入も順調に進み、ここでも効率化を実現しました。請求条件の変更時に売上まで遡って対応する必要があるなど、厳格に運用されているがゆえの変化には戸惑うこともありますが、必要な変化と捉えて対応しています。

 

【システム管理者属人的な管理体制とサポート体制を解消でき、クラウド化による安全性の確保を実現でき、システム停止は一度も発生していません。これは当たり前に実現されているべきことですが、実現されていなかった旧システムと比較すると物理的にも精神的にも大きなストレスの軽減となっています。

 

複雑な階層を成していた各種マスターを簡潔にできたことからBIツールなどでの二次利用が可能となったのは非常に大きな効果を生んでいます。拡張性が一気に広がり、即時性を求められないデータについては社内で生成できる基盤が出来上がって圧倒的に数字が把握しやすくなりましたね。経営会議・営業会議で全社売上、期間別、代理店別、商品/商品群別、在庫など、あらゆる切り口で可視化(Zチャートなど)したデータを元に協議や意思決定がされています。

 

ECサイトについては、出荷連携をしたことにより送り状番号の共有化が可能となり、問い合わせは減っていますね。以前は在庫数を確認するサイトと商品説明サイトが分かれていましたが、現在は統合できた点も顧客目線に改善されて利便性は向上しています。

まだECシステムで注文を受けている代理店のみの連携ですが、今後連携先を増やしていく予定です。

 

電子請求書発行システムのメンテナンスやEDI連携の新規登録はシステム管理者を介さずにできるように進めており、工数の短縮に大きく貢献しています。

サポートの評価

導入後についてお聞かせください。

伝達経路をFutureOne-システム担当者-現場責任者-現場担当者と制限して進める形は価値のあるよい仕組みだと感じており、旧システムと比べると明らかに良くなりました。

 

反面、まだまだ改善の余地があるとも感じており、障害時のさらなる素早い対応と精度の向上、FutureOneヘルプデスクシステムの操作性の改善にも期待しています。

導入を振り返って・・・

パッケージ+カスタマイズ型のシステムですが、改めて御社にとって良かったなと感じる点はありますか?

当社の業務は特性上、パッケージに完全に合わせるような柔軟性・汎用性を持っていなかったため、適切にカスタマイズできるシステムの導入は非常に合っていたと感じています。受注~出荷、経理についてはパッケージに合せにいくことで、標準化され、業務が洗練されました。

 

基幹システムのリプレイスを機に配送業者をまとめるなど、過去にない業務改善にもなり、自社の常識を疑って成長する意識改革の機会となった点は大きいと思いますね。


一方、弊社独自の部分はしっかりと作り込んでいけることも必須条件でしたので、パッケージ+カスタマイズ型だったことで、それぞれの良さを活かしたシステムを構築できました。

今後の展望

持続的な付加価値の提供を支える基幹システム

本社外観本社の社屋外観

今後の展望についてお聞かせください。


「良いものを作れば売れる」時代が過ぎ去って久しいですが、以前は付加価値として認識されていなかったこと、例えば「在庫状況」の情報は今や機能や性能に匹敵するほど課題解決の付加価値となることもあります。

 

サブスクリプションやソフトウェア販売なども見据え、柔軟な発想でお客様に付加価値を提供し続けていきたいと考えており、基幹システムにはビジネスの土台となりつつ、多様なアウトプットにも対応できるような融通が利く、寄り添ってくれる存在になってくれることを期待しています。

担当からのコメント

自社の強み・ノウハウを活かしつつ、業務を標準化するといった目的を参加頂いたプロジェクトメンバー全員が理解され真摯にお取組み頂いた結果、無事に稼働することが出来たと感じています。

今後の更なるビジネス発展や、社内業務の効率化など様々な施策を考えられているホーザン様を近くでご支援させて頂きつつ、共にチャレンジさせて頂きたいと思います。

お客様情報

お客様ロゴ

企業名

ホーザン株式会社

所在地

〒556-0021 大阪市浪速区幸町1-2-12

業務内容

電子機器用工具他生産機器、自転車組立・整備機器等の企画・設計・開発・販売

代表者

奥野 眞弘

創業

1946年5月 (昭和21)

URL

https://www.hozan.co.jp/

※記載されているお客様情報については、2022年4月時の情報です。