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経営判断の迅速化、利益確保、営業活動にも奏功するシステム活用

FutureOneメディア
株式会社アメフレック
 

導入製品

InfiniOne ERP

資本金

9,800万円

従業員数

211名(グループ全体)(2022年5月現在)

対象業務

販売管理、購買管理、売上管理

株式会社アメフレックは、FutureOneのシステムを2008年からご利用いただき、2020年に現在のInfiniOne ERPをご導入いただいています。
今回は、システム2世代に渡って導入をご担当された経理部 部長の林様と経理部 岡様にお話を伺いました。

課題・提案・効果

課題
部分的にしか連動していない複数システムに起因する多くの課題

  • ■ 情報トレーサビリティの欠如
  • ■ 数字管理のスピードと精度
  • ■ 人的ミスのリスクとチェック業務の負担
提案
  • ■ 業務フローの整理を軸とした効率的なシステム構築
  • ■ 既存の資産を有効活用し、導入効果の最大化を実現するシステム更改
効果
  • ■ 迅速な経営判断に直結するシステム統合による効率的な数字管理
  • ■ 業務の効率化に伴うコスト削減による利益確保
  • ■ 社内教育に活用し、営業活動にも奏功するシステム活用

会社紹介

当社は、兵庫県尼崎市に本社を構えており、冷凍冷蔵空調機器の販売および設計施工の全国展開を行っています。近年はグループ会社を含めた業務改善に努めており、基幹システム(以下、ERP)は業務の効率化の重要なツールとして位置付けています。FutureOneのシステムはRRR(トリプルアール、以下:フェーズ1)に始まり、現在はInfiniOne(以下、フェーズ2)を利用しています。

導入前の課題

ご担当者画像

それぞれのフェーズにおける導入前の課題についてお聞かせください。

林 様:
フェーズ1:
ERPを導入する以前は、販売管理・購買管理・売上管理がそれぞれ別のシステムでした。システム間は連動している部分と非連動の部分が存在し、登録漏れなどの人的ミスのリスク、不正処理のリスク、トレーサビリティの欠如、問題発生時に原因究明が困難であることなど多くの課題を抱え、営業収益の利益と確定利益に乖離が生じるなど正しい数字を把握しにくい構造となっていました。人的ミスについては、システムが別々であるがゆえに同じ内容を複数回入力する必要があり、二重入力が頻発していました。その分、チェック業務も多いときは5日に1回程度、複数拠点において同時に発生していましたので事務スタッフの大きな負担となっていました。また、当時は紙ベースの業務が多く、バッチ処理で出力した資料を経営陣に提出して確認してもらう業務も残っていました。

 

フェーズ2:
第一に、先行数字の管理とタイムリーな把握を課題とし、実績数字の管理に関する更なる効率化の実現も課題としていました。

システム選定のポイント

システム統合とデジタル化~継続的な業務改善

システム選定のポイントについて教えてください。

林 様:
フェーズ1については、以下のポイントを重要視していました。

1)システム統合
2)紙ではなくデータに基づく業務の実現
3)実績数字(売上・利益)の報告スピードと精度の向上
4)チェック業務の解消


フェーズ2は、システム面の課題はもちろんのこと、コロナ禍や繁忙期といった条件下でのシステム更改をいかに効率的に実現できるかを選定ポイントとしました。

選定の決め手

優先したのは「課題解決思考」と「コロナ禍の導入成功」

ご担当者画像

それぞれのフェーズにおけるシステム選定の決め手について教えください。

林様:

フェーズ1:

前述の課題とFutureOneのソリューションががっちりフィットしていました。以前のシステムベンダーからは旧システムと類似したシステムの提案もありましたが、何よりも課題解決をする思考を優先してFutureOneを採用しました。

 

フェーズ2:

様々なシステムを検討しましたが、前提としてすでに確立しているシステムからアウトプットされる数字の正確性やスピードを担保する必要があったため、他のソフトウェアに移行するリスクや負担には懸念がありました。そのため、繁忙期を控え、更にコロナ禍で残業をより一層削減しながらの導入を成功させるという面でもInfiniOneを採用しました。

 

システム構築中

後工程の効率化に繋がる質の高い業務フロー整理と基本設計

システム構築中のご苦労や良かったことについてお聞かせください。

林様:

フェーズ1:

業務フローの整理は大変でしたね。最初に全ての取引の業務フローを確認する必要があることに驚きましたが、膨大な量の資料を全て確認しました。元々、頭に入っていた業務でしたが、悪戦苦闘しながらも言語化、記号化することをこの時に覚え、システムの習得度が一気にあがったのは現在も役に立っていると思います。立場や思考などによって、システムに対する理解の相違がこのタイミングで表面化し、共通認識に持っていくまでのプロセスも大変でしたね。バグチェックも非常に苦労しましたが、基本設計通り動いているかを確認することができましたので、重要かつ良い経験だったと思います。システム上のバグなのか問題取引が起きているのかがシステム上で可視化されますので、コンプライアンス遵守の側面でも貢献しています。

 

業務フローの整理を含むヒアリングと基本設計をしっかりやってくれましたので、システム構築に入ってから問題が発生しても、軽微な修正で済んでいたのは良かったと思います。失敗するパターンとしては、認識の齟齬があるままにシステム開発を進めて、納品後にギャップが発覚してしまうことがあると思いますが、FutureOneに関しては常にベクトルが合っていましたので安心して進めることができました。上流プロセスで認識を合わせることができていましたので、プロジェクトはほぼ確認作業のみで進めることができました。この大変なプロセスにおいて、コミュニケーションを密にとってくれ、時間をしっかり割いてくれたのは非常に良かったと思います。また、会計領域の専門性も高く、フォローしてくれて安心でした。

 

導入後、現場に多少の不満はありましたが、それは新システムに移行した当初だけで慣れてしまえば問題は解消されていきました。

 

システム移行時はどうしても残業が増える~次第に新システムに慣れて残業が解消されていく~目に見えて利益がでる~経営層から従業員に還元される、という良い流れになりました。

 

フェーズ2:

業務量の多い夏の繁忙期である点に加えて、コロナ禍も重なり難しい条件の中での導入となってしまいましたが、FutureOneのシステムを継続利用していたことで乗り切ることができたと思います。フェーズ1で実現していた効率化された業務がベースとなっており、その延長線上でスムーズにシステム構築から導入を進めることができました。他のベンダーに変更していた場合は、より大きな負担となっていたと思われます。

 

フェーズ1とくらべ、導入初期段階におけるテスト運用や支援は大幅に少なくなりました。

導入効果

利益の確保に繋がった大幅な数字確定のスピードアップと業務圧縮

ご担当者画像

弊社システムをご導入いただいた効果についてお聞かせください

林様:
フェーズ1:

システム選定のポイントとして挙げていた課題・要望は計画通りに解決できました。これにより問題が発生する取引は社内で発見できるようになりました。

 

経営視点としては、以前は経営数字を確定するまでに20日以上かかり、手集計の売上利益で経営会議が行われていましたが、導入後は決算数字をシステム締め日から約3営業日で確定し、利益もリアルタイムにシステム上で確認できるようになったため、経営判断や意思決定の迅速化に直結する大きな効果がでました。経理数字に対する信頼性も大幅に上がったのは嬉しい効果でしたね。もちろん、月中であってもリアルタイムで数字を確認できています。

また、細かくは回収残管理システムも自動化されているため、営業は残管理のみに業務を圧縮することができました。会計面では、自動仕訳の導入に伴い会計伝票回収伝票の二重入力がなくなり、当初経理部は5名+営業所に数名在籍していましたが、現在(フェーズ2)は3名で業務が回るようになりました。

 

また、システム上に分記法の利益算出機能と三分法の利益算出機能を表示することによりエラーやバグ、取引の問題点を洗い出せるようになるという効果がでました。業務面での変化としては、特に売り上げ目標から利益目標へ移行することによって、正しい利益が即座にシステムに反映され、利益率の確保に繋がりました。また、事務コストも大幅に削減でき利益アップという効果を生んでいます。

グループを含む業務の平準化と効率化

フェーズ2:

システム管理者としては、管理しやすい仕組みに進化してきていると思いますね。長年、試行錯誤しながら目指してきた先行数字の管理ができるようになり、システムと運用の一体感が醸成されてきました。現在はグループ会社の経理業務を吸収することもできています。

 

現場視点においては、確定数字の営業報告が全く不要になったことにより、先行数字に注力することが可能となりました。先行管理数字の把握が見積から行えるようになり、先行数字の作成時間も2~3営業日掛かっていたものが1時間で作成できる部門も出てきましたが、ここはまだまだ改善できる部分だと思います。

 

岡様:

フェーズ1のシステムは入力の手間が多いと感じるところがあり、InfiniOneを導入時には社内から改善の要望をまとめ、すべて組み込んでくれましたので業務量は半分程度になったと実感しています。そのため、現在は経理部門以外のサポートの一次受けも担当するようになり、グループ全体のシステム活用に貢献できるようになってきたと思います。

 

要望の吸い上げは部門をまたぐ作業ということもあり、非常に苦労しましたが元々FutureOneとの関係性がよかったことや、要望をまとめていくプロセスのなかで不明点があっても迅速に対応してもらっていたので助かりました。

 

まだ過渡期ではありますが、見積入力を以前のエクセルからERPに移行し、合わせてFutureOneに提案してもらったワークフローシステムも導入することで、ペーパーレス化は大幅に進んでいます。今後は、電子帳簿保存法の改正に伴って更に加速させていきたいと考えています。

 

また、部門によって似たような業務に異なる作業が存在していましたが、現在はシステムを活用することによって平準化と効率化が進んできていると感じているなど様々な場面で効果がでていると思います。

ACORE1.png基幹システムは「ACORE(アコア)」の愛称で親しまれています。

サポートの評価

林様:

フェーズ1:

基本的に導入初期にバグが改善されてから大きな問題は発生していないため、助かっております。

 

フェーズ2:

サポートチケットを発行して、問題解決までしっかりと管理してくれるFutureOneヘルプデスクはよい仕組みだと思います。

導入を振り返って・・・

しっかりしたヒアリングに基づいた使いやすいシステム

パッケージ+カスタマイズ型のシステムですが、改めて御社にとって合っていると思いますか?

林様:

カスタマイズの前のヒアリングで当社の強みや弱みを理解してカスタマイズしていただけたのは助かりました。

 

機器販売本部、エンジニアリング本部向けにカスタマイズした機能の効果についてお聞かせください。

機器販売本部については、粗利・粗利率が不正確なシステムを利用していたこともあり、まず数字に対する信憑性が大幅に上がりました。それにより手作業で行っていた利益管理から解放された営業は本来の営業活動に注力できるようになりました。

エンジニアリング本部においても、元々エクセル管理だったため大幅な業務の圧縮効果がでました。

 

基本的な業務はシステムがやってくれていて、管理業務はイレギュラーな事象の対応に絞ることができる、一般業務は専門性を必要としない、など使いやすいシステムだと思います。

システムを社内教育にも活用し、実現した営業活動への還元と業務の効率化

テスト環境を社内教育にご利用されていると思いますが、詳しくお聞かせください。

当社ではテスト環境を活用し、ERPのリアルな環境を使いながら、新人のみならず若手社員のフォローアップ教育などを行っています。

 

例えば、営業職は通常業務では伝票を打たなくても、経理・販売・購買といった部門の業務の流れを知り、実際に手を動かすことによって業務フローを理解し、仕訳のタイミングや回収、利益を取引単位でみる、といったシナリオをもとに営業できるようになります。このようなトレーニングを実施し、自社だけではなくお客様のバックオフィス業務を俯瞰的に把握できると営業活動の中に還元できるというのは、業務が一気通貫となっているERPならではの旨味だと考えています。「営業は経験」とも言いますが、「伝票入力」のように仕組みを理解し、覚えてしまえばベテランと若手の差がつかない要素があり、営業力には自信があっても、システムへの理解度の低さを認識するきっかけとなるなど、自己啓発の効果もでてきています。

 

ハンズオンのトレーニングは、資料をもとにした座学だけの教育よりも明らかに効果が大きく、「理解したつもり」であっても正しく処理されていなければ、システム上で業務が止まるため、どこを理解していないのかが顕在化することもあって参加者にも熱が入ります。

 

以前は業務フローを「点」でしか理解できていなくても業務が止まらなかったのは、実際には「裏方」が修正作業をして点と点を繋いでいたからでした。テスト環境を教育にもフル活用することで、このような裏方作業の削減と効率化を図っています。

 

情報システムなくして業務は回らず、ある意味管理業務をシステム側に教えてもらっているところがあります。

今後の展望

今後の展望について教えてください。

現行のシステムについては、使いこなせる人員をもっと増やすことと、現状の使い方を正解と考えず、運用設計を自分たちで行い、システムを含む全体の業務効率化を図りたいと考えています。また、資本提携先を含めたグループ全体としてもITの有効活用を推進しており、子会社のシステムであっても強みは吸い上げてグループの業務最適化を目指して行きます。

担当者からのコメント

お打合せではシステムのご要望の細かな部分でも明確に意図を伝えていただけたことで、 齟齬が発生せずにシステム構築ができました。導入時には現場の方へのフォローにも尽 力いただき、大変感謝いたします。通常業務のみならず、教育にも基幹システムをご活 用いただいていると伺い驚きました。アメフレック様のシステムを活用し、さらなる業 務の効率化を図ろうとする姿勢に負けぬようシステムパートナーとしてよりよいご提案 やサポートができるよう尽力いたします。

お客様情報

お客様ロゴ

企業名

株式会社アメフレック

所在地

〒661-0026 兵庫県尼崎市水堂町2-40-10

業務内容

冷凍冷蔵空調機器 および 関連部材の販売、店舗フード機器・プレハブシステムの販売、
省エネ・環境改善機器システムの販売

代表者

土山 勝史

創業

1936年 2月 5日

URL

https://www.amefrec.co.jp/index.html

※記載されているお客様情報については、2022年5月時の情報です。